アトピー性皮膚炎で受診される方へ

Q1 どんな治療をするのですか?

Q2 ステロイドは使うのですか?

Q3 生活指導はどうですか?

Q4 漢方薬は飲み難くありませんか?

 

参考

※ アトピー性皮膚炎について

※ アトピーとうまく向き合う


Q1 どんな治療をするのですか?

 

A ) 日本漢方(和漢)をベースとした体質改善(皮膚に限らず身体全体の歪みを整える)

    を目指します。

 


Q2 ステロイドは使うのですか? 

 

A ) @もちろんステロイドを服用することは原則としてしません。

      A塗り薬については、できるだけ使わない方向に持っていきたいのですが、

      1)症状をできるだけ速く抑えたい人

      2)今まで強めのステロイド外用剤を使っていて、すぐに止めら れない人

   などには使っています。

 

 ※絶対にステロイドの塗り薬も使ってほしくない方は、その旨申し出てもらっています。

     時間がかかりますが、ステロイドを外用せずに治療を計ります。


Q3 生活指導はどうですか? 

 

A ) 一般的な皮膚科での生活指導に加えて、和漢の観点からも検討していきます。


Q4 漢方薬は飲み難くありませんか? 

 

A ) 原則として、その漢方薬がその人の体質に合っていれば、ニガイ薬でも楽に飲める

    と言われます。

 

   当院では、患者さんのニーズに広くお応えできるように、よりオーダーメイド的に使用

    する煎じ薬(自分で生薬を煎じる)といわば、既製品のように用いられるエキス剤(イン

    スタント・コーヒーのように)による顆粒や錠剤のものも用意しています。

 

   薬によって、また個人差によってニガ味の感じ方が違い、また薬そのものも甘いもの

    から、スーとするものなどいろいろあります。その中から体質に合ったものを服用する

    ことが最も大切なことなのです。


『水沢医師会報』1997年11月号掲載より

※ アトピー性皮膚炎について 

 皮膚科は、もともと日常的な病気を扱うことが多い分野ですが、今や「アトピー性皮膚炎」は最もポピュラーな病名と言ってもいいのではないでしょうか。 とは言っても、日本皮膚科学会がその診断基準を提示したのはつい3年前のことです。 この診断基準の骨子は、@慢性の湿疹であって、Aある程度、病状(皮膚症状)にパターンがあること、そしてBアトピー素因を伴う場合が多いということです。 以上は皮膚科医の中ではすでに暗黙の了解があって、今さらという思いがありました。 しかし、これは、小児科やアレルギー科等々と、必ずしも「ヒフ」にこだわりをもたない科にとって、例えば、“湿疹(=皮膚炎)”や“乾皮症(=皮脂欠乏症)”を区別して扱うことは、なかなか容易ではなく、ともすると言葉だけが一人歩きして、それぞれの分野で、さらには個々人(医者に限らず)が適当に枠組みを作ってこの病気について物を言っているという混乱した現実があってのことだということです。

 次に治療の問題があります。 一つはステロイド恐怖症です。 ステロイド外用剤は皮膚科医にとって今やなくてはならない必需品ですが、長期使用(ときに“乱用”)によっての副作用から必用以上に一部で怨み嫌われ“悪物”扱いされていることです。 極く一部で、“皮膚科医”を名乗る人の中にも眉をひそめたくなるようなステロイド外用剤の使い方をされている先生もおられる(もちろん当会員ではない−蛇足ながら)ことも確かですが、大半の専門医は、慎重に使っていることも事実です。 もう一つの問題は、民間療法とりわけ(本会員である黒澤先生曰く)“医者の手による民間療法”があります。 自分独自の方法はともすると手前ミソになる傾向があり、それが行き過ぎて独善的になりかねないということです。 結構マスコミに名が通っている専門医でも仲間内ではどうも・・・・・ということもあります。

 アトピー性皮膚炎は、遺伝的素因に限らず環境因子、精神的要因さらには社会的な側面も絡み合っての「現代病」と言えるものです。 そして、上述したことも加わって、この病気を取り巻く様相は、当に現代を浮彫りにしているように思えてなりません。


『JA広報誌』2002年11月号(No.53)掲載より

※ アトピーとうまく向き合う

 寒い冬。お部屋の暖房はガンガン焚かれ、空気は乾ききっています。こんな時、お肌もカサカサして粉を吹いたようになって痒くなった経験はありませんか。そうした状態のお子さんを連れて「うちの子はアトピーではないですか」と心配されて来院されるお母さんを結構お見受けします。 確かに乾燥肌で、全身的に痒いのは“アトピー”即ちアトピー性皮膚炎の特徴ではありますが、それがすべてではありません。一時的なものでなくて長びいたり、ゼンソクやアレルギー性鼻炎等といった他のアレルギーの病気が本人や家族にあったり、はたまた年令に応じた特異な湿疹ができたりして初めて総合的に判断して“アトピー性皮膚炎”の病名がつけられるのです。もっとも、ここからここまでがアトピーで、ここからここまでは乾燥肌による湿疹と、簡単に一線を引くことはできません。また、トビヒやカビの病気、ダニによるものでも似たような症状をとることもあり、一回の診察では判断しかねることもあります。 また、冬に特に悪化したり、逆に夏にひどくなりやすかったり、季節に関係なくストレス(学生ですと試験前とか)で痒みが増したりと人によって様々で、一口に“アトピー”と言っても非常に個人差も大きいのです。ですから勝手にアトピーと思い込んだりしないで是非皮膚科の専門医にご相談ください。 さて、治療もその人その人のお肌に合わせて考えていかなければなりません。巷に宣伝されているような「これでアトピーが治る!」といった商品にはくれぐれも踊らされないように!! 一方で、昨年11月の水沢医師会主催のアトピーをテーマとした講演会で山本一哉先生がお話しされていたように、薬の塗り方、扱い方一つで痒みの取れ方も違ってくるのです。 その人に合った塗り薬や飲み薬を捜し出すのに時間がかかるかもしれません。何が原因で悪化しやすいのか自覚できるまでに時が必要かもしれません。また原因がたとえ分かっても取り除くことが難しい場合もあります。根気よく焦らずにアトピーと向きあっていきましょう。大切なのは“アトピー”という病名に振り回されることでなく、自分自身や自分のカラダ(心やお肌も含めて)をよく見省って理解し、上手に労っていくことなのです。